うさこ
『めしねぶ』

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夕涼庵子の事件簿 【第2夜】
目黒シネマ公式ブログ、略して『めしねぶ』 スピンオフ企画
6夜連続 うさこを巡るショート・ストーリー



『夕涼庵子の事件簿』

第2夜

「無防備すぎる都市」




画像 075


目黒シネマのスタッフが全員事務室に集合した。

「まず庵子さんは、よく思い出してください」ジャンポールは言った。
「男の言葉になにかヒントがあるかもしれないから」

「…よくおぼえてないんです、わたし驚いちゃって…」夕涼庵子は不安げに答えた。
そして、できるだけ正確な電話の男とのやり取りをスタッフに説明した。

ジャンポールは夕涼庵子の言葉から幾つかのキーワードをみつけ、PCで検索を始めた。

ゲッタウェイは腕組をしながら、黙ってなにかを考えていた。

ノーラエプロンは緊急事態をM支にメール連絡していた。

「うさこ、朝はいたんだけど…」映写技師デニーロが眉間にしわをよせながら言った。
「でもいなくなったのは気がつかなかった。いつもぴょんぴょんいなくなるから…」映写技師のパチ~ノは言葉をつけそえた。

「でもぉ、犯行の目的が不明ですの。。。」とノーラエプロンはM支へのメール連絡を終えてから悲しそうに言った。「電話はつながりませんでしたの。。。」


一同、こまったM支だなと弱り顔。


画像 090

キーボードを叩く手をとめたジャンポールはキーワードが少なすぎて検索ではわからないと渋い表情で言った。
「あまりにも広範囲な情報しかでてこないですね」

おろおろとしている夕涼庵子、
     その困惑した表情をみて映写技師デニーロは語気を荒げて言った。

「でも絶対に駄目だからな、その男の指示にしたがうのは危険だから」
「ぼくもそう思います」映写技師のパチ~ノはつけそえた。

「でも、それじゃあ、うさこが…」 夕涼庵子は動揺していた。



  心が不安でいっぱいだった。



ジャンポールはさらに検索をつづけた。ありったけの想像力を駆使して、なにか小さなヒントをひとつでもみつけたかった。

ノーラエプロンはなにがなんでもM支に連絡をつけなければ、もう一度電話をかけてみた。うさこのピンチに女のことでさぼっている場合じゃないですよM支!

腕組しているゲッタウェイが事務室の重苦しい沈黙をうちやぶるように口を開いた。

   「そろそろ入れ替え時間だぜ。
             俺と受付の小鳥チャンでやるから、みんなは調べを続けていてくれ」

その太い声は少しみんなを安心させた。

「映写は俺にまかせとけ」デニーロがパチ~ノの肩をぽんっと叩き、映写室へむかった。


画像 073


電話が鳴った。 ドキッとする一同。。。
すかさずジャンポールが受話器を取ると、
           神妙な顔つきでその受話器を夕涼庵子に差し出した。

落ち着いて、とジャンポールは小声で言った。

      「おそらくぼくたちが探している人物からです」

夕涼庵子は小さく震えながら受話器を受け取り、そっと耳にあてた。

一同は息をひそめて見守っていた。

一言も言葉を出さずに、夕涼庵子は電話を切った。
その手は大きく震えていた。



「ゆるせない、わたし。。。ぜったいにゆるせない。。。。」



夕涼庵子は悔しそうに唇をかみしめた。

              目からは大粒の涙がこぼれ落ちた。。。


画像 089




                                             ( つづく )






<本日の登場人物>

夕涼庵子:目黒シネマスタッフ(下町育ちのハンコ職人)

ジャンポール:同営業社員(検索マニア)
ゲッタウェイ:同先輩営業社員(クール&ニヒル&おっちょこちょい)
デニーロ&パチ~ノ:同映写技師(ツインズ)
ノーラエプロン:同スタッフ
小鳥チャン:同スタッフ




【次回予告】
うさこはどこにいるのか? 犯人は夕涼庵子に何を話したのか?

第3夜

『黒のオルフェ』
 お楽しみに♪
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